まわり回ってペルーの地

青年海外協力隊2017年度1次隊 ペルーのイカという街での活動記録。環境教育という分野でゴミ問題に奮闘中。

まだ見たことのなかったイカの顔

任地であるイカに来て、そろそろ4ヶ月が経とうとしています。
ここ数日で新たなイカを見ることが出来たので、今回はそのことについて。
 
一昨日、オフィスにて作業をしているとカウンターパートからの誘いがありました。
「今から観光課の人たちの仕事に付き添いで出かけるけど、一緒に来る?ちょっと遠くへ行くからイカの違った顔を見れるよ」
答えは、もちろん行く。
 
連れて行ってもらった地域は、La tierra prometida という地域でした。イカの中心からは車で30〜40分ほどの地域。途中にはかつて埋立地の代用をされていた場所もあります。
 
このLa tierra prometidaの近くで来年のダカール・ラリー開催されるという事で、観光課が動いているようです。
 

ダカール・ラリーフランス語Rallye Dakar、ラリー・ダカール)とは、1978年にティエリー・サビーヌによって創始された、ラリーレイド競技大会の一種である。「世界一過酷なモータースポーツ競技」とも言われている。

このラリー競技大会は、コース設定が徐々に変わってきたことでその名称も変化してきており、かつては 「rallye Paris-Dakar パリ-ダカール・ラリー(略称 パリダカ)」と呼ばれた。

確かにこの周辺は砂漠だらけなので(てかイカ自体が砂漠の中に栄えた街)、これは確かにダカール・ラリーに適しているでしょう。

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これが来年のダカール・ラリーのコース

ところで今回行った La tierra prometidaが今までのイカとどう違ったのか。本題ですね。

一言で言えば、ここは「貧困地区」です。
イカの中心地域とは街並みが完全に異なっています。
 
家の作り、人々の服装、街にある店の種類や数。学校も今ようやく建設中。道路は完全に未舗装です。

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建設中の学校。ここから中心街の学校に通うのは交通的に困難です。
また、付近であった工事の廃材が山積みになっていたりゴミがいたるところに散乱していたり。
この街のさらに先には現在稼働中の埋立地もあるので、一日に何度もごみ収集車が通過します。日本と違い、ゴミ収集車はトラックの場合もあるため、荷台からゴミが落ちて行くこともしばしば。
残念ながら街を歩いてゆっくり見る時間はなかったのですが、それでも明らかに違う街である事を感じるには十分でした。

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さらに昨日の出来事。
自分の活動している環境課には、市民からの直接の苦情や相談など受け付け、その改善を図ったり指導に出たりします。昨日は市民どうしの問題。相談者の近所の家族が、自分たちの家から生活ゴミや排水などを勝手に捨てるため困っているというものでした。
 
問題の家は街の高台にあります。日本では高台にある家ってちょっと高級なイメージが自分にはあります(横浜の元町・山手地区みたいな)
しかし、ここイカでは高台の上は貧困地区でした。首都リマでも丘の上は街が違うと言われています。
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街を見下ろせる高台。場所的にはとても良いところなのに…
行って見ると確かにひどい。ゴミだらけでした。家と家の間の空き地にゴミが溜まってしまってハエもだいぶ湧いてしまっています。排水の影響で、本来はなかった植物まで育ってしまっている状況。

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日々のゴミが溜まってしまっています

 

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この植物たちは本来無かったという
この状況もショックでしたが今回は家への訪問指導だったため、実際の生活空間を見ることができました。
空き地と異なり、家なので写真は載せられませんが生活環境・住環境はお世辞にも良いとは言えません。ほとんど野外のキッチン、ドアの無いトイレ。天井がなく布をこしらえただけの食卓。
 
自分が普段生活をしている街や、お世話になっているホームステイ先とは全く異なるものでした。
この家族の家も前日に見た街も、同じ「イカ」なんです。格差というものをこれでもかと見た気がしました。
 
世界の貧困や格差っていう言葉は知っていても、見るのはテレビ番組やネット、本とかを通したもので全然リアルじゃありませんでした。だから協力隊に参加する際、自分の目でそういったものを見てみたいなーと思っていました。
が、実際に目の前にすると言葉に表すのが難しくなります。
 
イカで約4ヶ月生活をしてきたこともあり、同じ街でこんなに違う世界があるなんてというショックが大きかった。
 
カウンターパートと、「なんで家族の奥さんはゴミを自分の家の近くに捨てるんだと思う?気持ちよく暮らせないじゃん」という事を言うと、「多分、親からの影響だね。彼女も何も教わらず、親がそう捨てていたのを見て育ってしまったんだと思う」
自分が思ってた答えと同じでした。
悪い習慣は伝達してしまうし、貧困家庭では十分な教育が受けられないためそれが残ってしまう、良い職業に就くのも難しく貧困スパイラルに陥ってしまう。
 
4ヶ月も経ってようやく見えたイカの貧困や格差。
何もできないかもしれないけど、残りの時間でもっと向き合いたいなと思いました。
 
そしてせっかく環境教育という職種できているのだから、何かできればなと思います。
 
書いてたらだいぶ、真面目かつ重い内容になってしまった。。
 
とにかく、もっと色んなイカを見てみたい。
あとダカール・ラリーもぜひ見たい。観光課の人たち招待してくれないかなー。