JICAと注射とわたし
野良犬って見たことありますか?
自分は日本ではほぼ見たことがありません。というか、見た記憶がないのでホントに見たことないのかも。
そもそも日本に野良犬なんてほぼいないですもんね。野良猫はまぁまぁいるのに不思議。
ところが、ペルーに来てみると野良犬なんて全く珍しくない。
むしろめっちゃいます。マジでめっちゃいる。
ここイカの街を歩いていれば都心のコンビニくらい頻繁に見ます。
といっても野良犬達はたいてい道で寝ているか、歩き回っているか、ゴミの中から餌を漁っているかという感じ。おとなしいのです。
そんな飼い犬も含めて、犬だらの街ですが、先日初めて犬に噛まれました。
それはいつも通りの通勤途中のことでした。
普段は信号のタイミングが合わず渡れない交差点があるのですが、その日は運良く(悪く?)渡れました。車道を挟んで逆側の歩道を歩いた方がちょっとですが早いので意気揚々と歩いていると、目の前に犬が3匹、割とでかい(秋田犬くらい)そして男性が一人。歩いていくと犬たちが猛烈に吠えてくる。
ちょっとビビったが、まぁ吠えてくる犬もたまにいるし、結果吠えられるだけなので強いメンタルで通り過ぎようとすると。
ガブリ。
右足ふくらはぎにいきなりの強い痛み。恐ろしいほどに近い犬。噛まれた!噛まれた!噛まれたよぉぉぉ!
怒りや傷みもありましたが、恐怖が圧倒的に勝ったため早足でその場を後にしました。
傷自体は浅く軽傷という感じです。
しかし、ここからが問題。ペルーを始め途上国には狂犬病があります。
狂犬病は日本では撲滅されたとされていますが、世界的にはまだほとんどの国で存在する病気です。
しかも!発症すればほぼ100%で死ぬという恐ろしすぎる病気!JICAでも狂犬病の恐ろしさなどは訓練中にめちゃ説明されます。
狂犬病(きょうけんびょう、英語: rabies)は、ラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルス (Rabies virus) を病原体とするウイルス性の人獣共通感染症である。水などを恐れるようになる特徴的な症状があるため、恐水病または恐水症 (hydrophobia) と呼ばれることもある(実際は水だけに限らず、音や風も水と同様に感覚器に刺激を与えて痙攣等を起こす)。
試験的な治療法の成功症例を除くと、ワクチン接種を受けずに発病した場合はほとんど確実に死に至り、確立した治療法はない。2004年10月以前までで記録に残っている生存者はわずか5人のみで、いずれも発病する前にワクチン接種を受けていた。「最も致死率が高い病気」として後天性免疫不全症候群(エイズ)と共に、ギネス世界記録に記録されている。wikipediaより引用
そんなこともあり、噛まれた後の自分の思考は
『え?これ死ぬかもしれん?』
すぐにカウンターパートが石鹸を買って来てくれて傷口の洗浄はしましたが、さすがに病院に行ってワクチンを打つことに。
ここで自分にとっては第二の試練です。
なぜか。注射がめちゃめちゃ苦手なのです。嫌いとかいうレベルではありません。
なんせ過去に二回、注射により軽い失神を経験しています(採血でなくインフルエンザの予防接種)
外国で、しかもまだまだ慣れないスペイン語で説明されたの後の注射は死ぬほど怖い。
しかし、担当医や看護師、そして付き添ってくれたカウンターパートがそれはそれは優しく励ましてくれました。
実はワクチンを求めて病院を数件回ったのですが、この病院の医者が最も真摯で優しく丁寧でした。他の大病院の医者たちはちょい怖め。
やはり医療は人がやっている以上、信頼って大事だなと心から思いました。
ワクチン接種は二回を別日に分けて行いました。いやー怖かった。
ちなみにJICAでは2年間の任地暮らしのため訓練中に任地に合わせ様々な予防接種をします。
自分は70日間で全8回の予防接種がありました。毎週火曜に行うので火曜がめちゃ嫌いでした。
注射の恐怖から解放されてペルーに来たと思ったら、犬に噛まれまた注射。。
今年だけで採血も入れたら12回目です。さすがにちょっと慣れる。
JICAと注射は切っても切れないようです。
とにかく本当に死ぬかもしれないと思うと、頭は真っ白になりますね。
これも帰国後には笑い話なるかなーと思いつつ、犬が嫌いになりかけました。